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史読む月日―ふみよむつきひ―

歴史のこと、歴史に関わる現代のことなど。

みなもと太郎『風雲児たち 幕末編』は歴史をvividに知る手がかりになる漫画だ。

みなもと太郎風雲児たち 幕末編』第153話が『コミック乱』5月号に掲載された。

 

1970年代から続く大河歴史ロマン・『風雲児たち』だが、リイド社の『コミック乱』に移って幕末編が始まってからもう153話。もう13年になる。

 

今回は、万延元年(1860)のヒュースケン暗殺事件の事後処理から話が始まる。アメリカ公使ハリスはそれでも江戸に残るのだが、イギリスなど他国の公使たちはより安全と思われた横浜に移動する。

 

ヒュースケン暗殺事件に関わるエピソードも、残された日本人妻と遺児の写真、ハリスが殺害犯に関する情報提供者に懸賞金を書けたこと、幕府がヒュースケンの母親に賠償金1万ドルを支払ったことなど、そうだったのかと思ったことがいろいろあった。

 

続いて小笠原諸島の件。ジョン万次郎がアメリカ系をはじめとする移住者たちを説得して日本領を認めさせ、その功績により捕鯨が許可された、というのも可笑しいですね。

 

あとは文久元年(1861)の日本を取り巻く国際情勢の話、和宮降嫁に関する流れ、各地で起こる治安上の事件など、幕末の乱世が描かれている。

 

高校の社会科の先生方の間でも、このマンガはかなり流行っていたし、手軽に身近な感じでこの時代を学ぶには、面白くてためになる作品だと思う。(もちろん全部を歴史上の事実だと思ってしまうと失敗するので、自分で確認する必要はあるのだが。)

 

私も以前、自分で勉強していて、大きな流れはともかく1853年のペリー来航から1877年の西南戦争に至る四半世紀の流れはとてもわかりにくいものがあるなあと思ったことがある。

 

今でもまだ文久元年なのでごく一部なのだが、登場人物たちが躍動するこのマンガを読んでいると、一つのイメージが出来上がって、そこにいろいろな出来事や史料を読んでの理解を足して行くことによって、割合スムーズにイメージをつかむことが出来るなと思った。

 

そういう意味からだけではなく、なんというかみなもと太郎の作品は、ある意味漫画の王道みたいなところがあって、最近のパターンに毒されていない(ギャグは常に新しいものが導入されていますが)古き良きでも生き生きした漫画だなといつも思う。

 

と言うわけで、これも薦められる作品だと思う。